「やさしく学べる線形代数」 読みました

同じシリーズの微積版とは異なり、この本は学生時代の教科書ではありませんでした。線形代数の講義では別の教科書が指定されていたのですが、私の当時の数学力ではその教科書は難解に感じてしまい、あまり理解が進みませんでした。なので微積版でお世話になっていたこのシリーズに助けてもらうことにしました。

本の目次

1章 行列と行列式

1

1.1 行列の定義

1.2 行列の演算

1.3 正方行列と逆行列

2 連立1次方程式

2.1 連立1次方程式

2.2 行基本変形

2.3 行列の階数

2.4 連立1次方程式の解

2.5 逆行列の求め方

3 行列式

3.1 行列式の定義

3.2 行列式の性質

3.3 逆行列の存在条件

3.4 クラメールの公式

2章 線形空間

1 空間ベクトル

1.1 ベクトル

1.2

2 線形空間

2.1 線形空間の定義

2.2 n項列ベクトル空間

2.3 線形独立と線形従属

2.4 部分空間

2.5 基底と次元

2.6 線形写像

3 内積空間

3.1 内積空間

3.2 正規直交基底

3.3 固有値と固有ベクトル

3.4 行列の対角化

3.5 2次曲線の標準形

感想

ベクトルの計算から始まり、行列の対角化くらいまでを扱っています。おおよそ、一般的な大学の工学部で「線形代数I」などの名前が付いている科目で扱われてる内容じゃ無いかな?と思います。なので、扱っている範囲は線形代数の入門書としては一般的な広さです。

ではどこがオススメポイントなのか?というと、本の最初から最後まで、詳細な計算過程が載っているところです。私もそうでしたが、初学者は理論を示されてなんとなく理解しても、いざ実際に計算をしてみるとまったく手順が思いつかないことが多いです。その点この本は、まるで「こういう時はこう式変形すると解きやすくなるよ」、「ここでこの公式を使うんだよ」と語りかけてくるかのように詳細に手順を残してくれています。これは当時本当にありがたかった。

私見ですが、線形代数は四則演算や連立方程式の発展系だと思っています。それを基礎から少しずつ辿っていく本なので、読み始めるのに必要な前提知識はあまりありません。中学数学の計算問題が解ければ大丈夫なのでは?とすら思っています。もちろん理論を真剣に追っていくとかなり深い分野ですし応用範囲もかなり広いのですが、この本の演習問題を一通りこなせば、手も足も出ないということはなくなるのではないかと思います。

以上のような特徴の本なので、大学で数学を学んでいない人でも、おそらく文系の人でも解き進めていけると思います。最近流行の機械学習や、データサイエンスの領域でも線形代数は当たり前のように使われているので、その辺の読み物を読み終えて興味を持った方にもおすすめです。詳細な説明より例題、というコンセプトの本なので、この本で線形代数に慣れてから更に詳細な理論書に進んでいただければと思います。

関連書籍

1.「やさしく学べる微分積分」 石村園子 著

同じシリーズの微積版。今回紹介した本で得た知識と合わせると、下の統計版が理解できるようになってきます。統計は最強の学問と主張している人もいるくらい、身につけると便利なスキルですので是非挑戦してもらいたい。

2.「やさしく学べる統計学」 石村園子 著

同じシリーズの統計版。コンセプトは同じだが、微積や線形代数は前提知識ではないかと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする